owatax's blog

ニコニコのブロマガから引っ越しました。

「MAD」から派生した音MAD と 「サンプリング」から派生した音MAD

(2014/02/22追記)
この記事の続きみたいなの書きました。
 → 音MADみたいで音MADじゃない少し音MADな動画と音楽

---

※この記事は知識が薄い頃に書いたもので内容が雑で正直書き直したいんですが時間もモチベーションも無くて執筆時の状態のままになってます。それを踏まえた上で閲覧してもらうようお願いします。


オススメ関連記事
「MADテープ」から「音MAD」までの道のり(その1) (by ニュトーイ さん)

(03/28)
「YTPMVは音MADに影響されて始まったものではない」
ムネオハウスや荻野ラップをナードコアの文脈で語るべきではない」
MLPのRemixはPogoのフォロワー系ではないか」
「映像付きRemix曲を出すのであればせめてBUBBLE-Bさんの2000年頃の初期作品までは遡れないものか」
「自作曲MADという言葉もある (コメント欄より)
等々の指摘を頂きましたので文章に修正を加えました。


----

◆切っ掛け
先日こんな動画を見つけました。私自身マイリトルポニーが好き(加えてMLP内でRDが一番好きなキャラクター)だったので非常にこの動画を気に入りました。この記事を書いている今もループ再生中です。

私はこの動画を「音MAD」のキーワード検索で見つけたのですが、音MADというタグは付いていないんですね。
それで音MADタグを付けようかと思ったのですが、ここで疑問に当たったのです。


◆音MADとは何か?
この動画は、「音MAD的な映像と音声の編集を行なっている、しかし音源はオリジナル」という、音MADなのかそうでないのか、人によって判断が分かれるものになっています。
また、ナードコアかと聞かれるとそれもまた違うような気がします。

個人的には、「音MADにも含まれるし、サンプリング音楽にも含まれる」という風に思っています。
この辺りに関しては記事後半で掘り下げていきますが、ここで少し別な話題を。


◆そもそも音MADの成り立ちとは?
音MADの始まりはどこか。これに関しては、仲邑飛鳥さんの「音MADの歴史」シリーズで綴られていますので、こちらを参照ください。
自分としては、「ニコニコ動画設立前後に『現在でも音MADと呼ばれている多くの動画』が投稿され始めた頃」から音MADは始まったと思っています。

▼MADから派生した音MAD
音MADの源流を見ていくとMADに当たり、それを更に深くまで探ると最終的に「MADテープ」にたどり着くと思われます。
この辺りに関しては知識が乏しいので何とも言えませんが、「既存の音声/映像を再構成して新たな面白さを生み出す」というものが主流だったのだと思います。(一時期ニコニコでも「忙しい人向けシリーズ」というものが流行りましたが、その源流と思われるものもMADテープ内に存在します。)

MADテープが出た後に、ビデオデッキを用いて映像を再構成するものも登場します(アナログMAD)。こちらに関してはMADテープ以上に詳しくないのでさっぱり分かりませんが、恐らくアナログMADの時点ではAMV的なMADという物は無かった(あるいは主流ではなかった)のではないかと思われます。

 AMV…アニメ・ミュージック・ビデオの略で、音楽に合わせてアニメの映像を切り貼りし繋げたもの。アメリカで1970年~1980年頃に独自に生まれた。

そしてその後、パソコンとインターネットの普及により現在の「MAD」が形作られます。これと同時期に、映像を用いず静止画のみで構成する「静止画MAD」も生まれます。

この時点で、「AMV的な方向へ発展したMAD」と「MADテープやアナログMADの流れを引き継いだMAD」へ分岐。後者は仮面ライダー剣(オンドゥル)などが有名でしたね。
「ネタ系MAD」と「AMV的MAD」の名称がどちらも「MAD」として扱われているので中々ややこしくなっています。



その後Youtubeが登場。Flashなどからの派生で「嘘字幕シリーズ(キーボードクラッシャー等)」が出て来ました。

そしてニコニコ動画の登場。
従来通りのMADの他、上と同じくFlashなどから「手書き/再現MAD」がやってきます。この辺りに関しても源流を調べたら色々出てきそうですが、流石に本筋からズレてくるので省略。

そして「盗んでいきましたシリーズ」の流行と共に、現在の形の音MADが形作られていきます。
正直なところ、いつから現在の形の「音MAD」が投稿されたのかは自分には分かりません。Youtubeの時点で投稿されていたのか、それより前からあったのか…。


なお、時代の流れでネタ系MADの多くは音MADへ吸収され、勢いも落ち着きつつあります。例外としてブロリーMADなんかはまだまだ根強い人気を保っていますね。新作アニメのMADなどもよく見かけます。
AMV系のMADも、複合MADの人気を見るにまだまだ衰えを感じさせませんね。

また、音程合わせに主軸をおいた音MADを好まない人もよく見かけますが、そういう人は「ネタ系MADからの派生としての音MAD」こそがその人にとっての音MAD像なのではないかな、と思います。




★YTPMVの逆輸入
ニコニコで発達した音MAD文化は海外にも広まります。Youtubeに転載された音MADに影響を受け、海外のYoutubeユーザーが制作した音MAD、それが「YTPMV(YouTube Poop Music Video)」です。

Youtubeというあらゆる国の人が見られる動画サイトという性質上、言語の壁がありネタ性などが伝わりづらいという事情があり、それを補うべく「音程合わせ」に主軸を置いた音MADとして独自に発達。
そしてYTPMVのニコニコへの逆輸入、及びYTPMVから影響を受けた人の台頭により、国内の音MADも音程合わせのみの物が増えつつあります。


▼サンプリングから派生した音MAD
現在の音MADは最早DTMだと言われることも少なくありません。
しかしながら、そもそも音楽の方にも音MADに近い「サンプリング音楽」というものがあります。


★サンプリングとは?
元々の意味としてのサンプリングとは、既存曲の音源を再構成して新たな楽曲を作る音楽の制作法のことです。
現在では「サンプラーで録音した音声を楽曲の中に組み込む」という意味合いで使われることが多いです。

(余談: サンプリングからの派生として「ブレイクビーツ」というジャンルが生まれたのですが、これはサンプリングしたドラム音声を分解して再構成して新たな音楽を作る手法を用いた音楽ジャンルです。更にここから派生して、ドラムを細切れにし複雑なリズムを刻む「ジャングル」や「ドラムンベース」などが生まれます。)


ナードコア
電子音楽の発達で生まれたジャンル「ハードコアテクノ」からの派生として「ナードコア」というものが生まれます。ハードコアテクノ」と現在の意味合いの「サンプリング」を混ぜたようなものがナードコアに当たります。

「◆音MADとは何か?」の項で「音MAD的な映像の編集」という言葉を使いましたが、下の「トイレその後に」などの時点でそういった映像編集は行われているんですよね。
そう考えると、音MADの映像編集の基本と言うのはこちらの方面から来たのではないか…と言う風に思っています。



★Remix
ナードコアに似たものとしてリミックスと言うものもあります。
2chのムーブメントで生まれた「ムネオハウス」「荻野ラップ」などがそれに当たると思われますが、この辺りに関しては「音MADの歴史」シリーズを参照ください。

また、「Pogo」というアーティストが「不思議の国のアリス」内の音をサンプリングして曲の中にふんだんに盛り込んだ「Alice」と言う曲を発表し一躍有名に。Pogo作品から影響を受けた作品も多く生まれたそうです。
冒頭で紹介した「【MLP】レインボーダッシュ Remix - So Awesome /)^3^(\」についても、このPogoに似ているとのコメントが複数付いています。

…正直なところ、自分にはナードコアとRemixの違いというものがよく分かりません。
曲調がテクノ調なものがナードコアで、そうでないものがRemix程度の解釈しか出来ていません。この辺りに関して是非とも詳しい方にご教示願いたいです。




★自作曲MAD
数は少ないですが、ニコニコ内に「自作曲MAD」というものがある事をコメント欄でご指摘頂きましたので2つほど紹介させて頂きます。

★左: Remix風な音声+音MAD風映像編集 / 右: 自作曲でのAMV風動画


----

◆音MADが音MADたる理由
冒頭で紹介した「【MLP】レインボーダッシュ Remix - So Awesome /)^3^(\」についてです。
「音MAD的な映像と音声の編集を行なっている、しかし音源はオリジナル」(再) となっています。作者も音MADと言っていないものの、自分としては音MADと呼んでもいいのではないかと思いました。この認識の差はどこで生まれたのでしょうか。

今現在、音MADを音MADたらしめているのは「既存曲をそのまま使用している」ことと、「映像が付いている」こと。この2点だと思います。音程合わせのみの音MADなど最早耳コピのようなものですが、映像のお陰で音MADとして認識することが出来ると思います。

しかしながら、実際のところは音MADとナードコアとサンプリング音楽の境目は感覚によるものが大きいと思います。自作のアレンジ曲や、ドラムパートだけ自分で新たに打ち込んだ曲で作られた音MADは普通に音MADと呼べるでしょうし…

★左: 自作アレンジ曲+音MAD 右: 既存曲+ドラム+音MAD


★音MAD的手法で作られたオリジナル曲


★左: ナードコア風な音MAD


★Pogo的手法(韃靼戦法)で作られた音MAD(YTPMV)


★参考


----

少し投げっぱなし感がありますがこれにて…
__
    ̄ ̄ ̄二二ニ=-
'''''""" ̄ ̄
           -=ニニニニ=-


                          /⌒ヽ   _,,-''"
                       _  ,(^ω^ ) ,-''";  ;,
                         / ,_O_,,-''"'; ', :' ;; ;,'
                     (.゙ー'''", ;,; ' ; ;;  ':  ,'
                   _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'  ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'     d⌒) ./| _ノ  __ノ