owatax's blog

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【音MAD研究】作風・技法から読み解く音MAD

◆はじめに
この記事は音MADの音声編集において頻出する作風や技法(戦法)を纏め、それらからどのように音MADが作られているかを読み解くための資料みたいなものです。
途中で書き飽きたもので調査・推敲不足な部分が多いと思うのであくまで参考程度に…

※台詞合わせ、音程合わせ、リズム合わせ、その他の分類で分けています。



◆台詞合わせ
原曲に合わせてキャラクターの台詞などを編集する手法。

→MAD的台詞合わせ
旧来のネタ系MADをルーツとし、同一或いは複数人物の台詞を組み合わせることで構成される。
話の流れを組み替えることでネタ性を持たせたり、特定のキャラクターにフィーチャーした動画を制作するのに長けている。
その性質上ポップス等の一般的に馴染みの深い音楽との相性が良く、台詞合わせの系統の中では最も作られている。

→ラップ調台詞合わせ
ヒップホップ・ラップをルーツとし、一連の発話を連続して繋げる。同一人物の台詞で構成されることが多い。


テクノ系台詞合わせ
ナードコアなどをルーツとし、同じ台詞を何度も繰り返すことで構成される。パッと例が出てこない程度には少数派。


→ヤラキュラ戦法(技法)
新ドナP発祥。
ピッチ変更を行わない、音を細かくタイムストレッチし曲に合わせる、音の密度を高めるなどを特徴とする手法。
現在では広義の台詞合わせに吸収され、特筆してヤラキュラ戦法として扱われることはほぼ無い。
音程合わせ、台詞合わせ共に発展途上であった09年当時は新規性のある手法だったとのこと。




◆音程合わせ
原曲に合わせて素材の一部分の音程を編集する手法。

→台詞合わせMADのアクセントとしての音程合わせ(技法)
上記の台詞合わせ系音MADのうち、「MAD的台詞合わせ」の中の一部分でメインパートとして用いる手法。

→バッキングとしての音程合わせ(技法)
メインとなる台詞合わせなどの音声とは別に、バッキングとして音程合わせした音声を挿入する手法。裏方なのであらゆる音MADに挿入することが可能。

→YTPMV、或いはYTPMV的音MAD(分類)
音程合わせをメインに構成される音MADのこと。
台詞合わせとのハイブリッド型も多いが、それらの分類は比重によって判断される。

→人力ボーカロイド(技法)
音程合わせと台詞合わせを同時に行い、素材に歌わせる手法。

→おそうじ戦舗(技法)
新ドナP発祥。
単一の台詞を何度も繰り返し、徐々に音程を合わせる手法。台詞は2小節単位で繰り返すことが多い。
テクノ系台詞合わせと人力ボーカロイドのハイブリッド型。


→シュペランカー戦法(技法)
素材のピッチを変更せず、複数の素材を細かくチョップ(分割)したものを使い分けて音程合わせを行う手法。サンプラーを使うと楽。


→カビキラメキラリ戦法(技法)
原曲のボーカル音声を再編集し、歌詞改変を行う手法。


→課題曲(技法)
原曲とは異なる曲の音程合わせを組み込む手法。



◆リズム合わせ
原曲に合わせて素材の一部分をドラムに見立てて編集する手法。前記事参照。
http://ch.nicovideo.jp/mad/blomaga/ar1051106

→ドラム合わせ(技法)
リズム合わせの内、原曲のドラムに合わせて編集する手法。


→効果音MAD(分類)
そもそも台詞が存在しないゲームなどにおいて、効果音をメインあるいは主軸に据えて制作された音MADのこと。
便宜上リズム合わせの部分に分類しているが音程合わせと複合していることが多い。


→韃靼戦法(技法)
新ドナP発祥。
ブレイクビーツを扱う音楽をルーツとし、素材を細かくチョップしたものを再構成してリズム感を作り上げる手法。
広義ではカットアップに内包される。(カットアップで用いるような音声を用いてブレイクビーツ的な編集をしたようなイメージ)


カットアップ(技法)
既存の音を不規則に切り貼りし、新たなフレーズを作り出す手法。大衆音楽でもボーカル処理などでしばしば用いられる。ジャンルではない。


→ドラム打ち込み
原曲にドラムを追加で打ち込む手法。
2010年「イカオー」、2013年「テクスチャの剥がし方」の影響が大きい?


◆その他
分類不可なもの。

→フリースタイル
自由

→一転攻勢
曲の後半で突然素材や作風が変化する手法。


おまけ:病弱戦法の由来はこれだったような記憶(記憶違いかも?)