owatax's blog

ニコニコのブロマガから引っ越しました。

ローファイ・ラップ調音MAD合作の振り返り

先日「ローファイ・ラップ調音MAD合作」及び「otomad-groove vol.1を公開しました。

 

 

 

本記事では、上記企画を振り返って色々書いていきたいと思います。
※この記事は「音MAD Advent Calendar 2022 in Summer」に参加しています。

 

■企画立案(最初期)

2022年3月21日に音MAD作者の方々と遊ぶ機会があったのですが、そこで

 「最近の音MAD合作ってカロリー高いよね」
 「もっと気楽に参加出来る合作があっても良いと思う(一晩合作みたいな)」

といった話題が上がりました。

より高品質な音MADを届けるためにより良いものを作ろうとする姿勢そのものは素晴らしいもので尊重したいと思っています……が、自身が参加したり周囲の話を聞く中で、合作を主催したり参加すること自体がとても大きな負荷となってしまうことを強く感じつつもありました。

こういった諸問題を解決するため、主催する側も参加する側もあまり負荷が掛からないような合作をしたいと思ったのが本企画を立ち上げるに至った経緯です。

 

 

■合作フォーマットについて

なんか文章堅苦しいな!もっと文体崩して書きます!!!クソ真面目文体だと筆が乗らないのでラフにスパスパ書いてきます。

 

企画立案は前項の通りなんですが、負荷がかからないような合作形態自体は元々自分の中で答えが出てたんですね。
そう、「台詞イントネーション作曲合作」や「MIXTAPE -ラップ調音MAD-」のフォーマットです。

 

 

これらに共通するのは

 「自由曲合作であること」
 「共通のテーマが存在すること」
 「提出された単品をDJMIX形式で繋いでいること」

です。

 

そして上記のフォーマットを用いる最大のメリットは「メンバーの入れ替わりに柔軟に対応出来る」点です。

「勢いで参加表明しちゃったけど何も思いつかね~~~~!!!もう終わりデースもう終わりデースもう終わりヘリントンもう終わりヘリントン」ってなったことありませんか?私はあります。
でもメドレー合作だと辞退するのが滅茶苦茶大変なんですよね。当たり前ですが辞退した分のパートは誰かが作らないといけないので。

 

その点自由曲合作は気楽!!!
尺が減ってしまうみたいな都合は多少ありますが、辞退しても自分のパートが合作に乗らなくなるだけなので必要以上に気負うことがありません。

 

実際、今回の合作でも辞退者は出ましたし、また多忙で提出出来るか分からない方には仮参加という形で「もし締切までに時間が出来てネタが降ってきたら提出してくれると嬉しいデース(九条カレン)」と伝えたりしてました。

提出されたら尺が増えて嬉しいし、提出されなくても特に問題が起きない。気楽ですね。

 

【ニコカラ】赤毛の中年男性(46) より

 

 

■コンセプト

文章に起こそうと思ったんですが全部スプレッドシートに書いてあったのでキャプチャ貼り付けておしまいにしちゃいます!添付画像を見てくれ!!!!!

 

▲画像を2枚も付けちゃいます!(2枚も!?)

 

■MIXについて

何やかんやあって各パートが出揃ったら楽しいMIX作業!!実質音MAD-mixです。たのしい。

 

とはいえ好きな音MADを何でもかんでも混ぜこぜ出来る訳ではないので、まずは出揃ったパートの属性を洗い出します。最初のパートで言えば「アニメ」「日常/恐怖」みたいな感じですね。

そうして洗い出した属性を元に展開を作ります。
パートが揃った時点で「Estlさんのパートは最初だな」「Lewisさんのパートは最後だな」といった感覚が働いたのでそれをベースに組み立て、最終的に下図のような流れとなりました。

 

 

なんとなく意識してたのは以下の辺り。

  • 最初のパートでコンセプトを分かりやすく伝えたい、かつ序盤でインパクトも与えたい →Estlさんのパートで共に解決
  • MIXTAPE(ラップ調音MAD合作)では悲しい雰囲気で終わったから今回は明るく終わりたい →Lewisさんのパートで解決
  • 実写素材は固めたい(アニメ素材と気色が違いすぎるので)
  • 極端なBPM変化は出来るだけ避けたい

 

ちなみに映像がいい感じに繋がったのは奇跡です!
全く示し合わせしてなかったんですが、

  • わたてん→惡の華(学校繋がり)
  • 惡の華→松岡修造(ロトスコープ→実写)(自転車で走るアウトロ→電線の走るイントロ)
  • 座頭市→さよならの...(立ち去るシーン→立ち入るシーン)

辺りは映像面でも気持ちよく繋がったなと思います。

 

セトリが組めたらあとは音MAD-mixやDJMIXの要領で繋いでおわり。


▲繋いでます。

 

余談ですが、MIXの過程で諸問題が起きてたので備忘も兼ねて残しておきます。(ともに未解決)

★Reaperのマスタートラックで再生速度を変動させるとノイズが乗る
前までは問題なかったんだけどな……
添付画像みたいな感じで再生速度のオートメーションを書くとクリックノイズがちょいちょい挟まります。再生速度変更の瞬間にプチッとなるくらいならまぁまだ分かるんですが、全然関係ない部分でもノイズが乗るようになっちゃってあまりにも処理が面倒。

滑らかなBPM変更はこのやり方でやるのが一番楽だと思ってるんですが、こうノイズが乗られちゃうと困っちゃう。別のやり方を考えないとかもな……

 

★Reaperの映像出力時に音ズレする
こっちはまぁ上のに比べれば些細な問題です。再生速度の変動を伴った状態で映像出力するとどうも0.1~0.2秒くらい音声が遅れた状態で出力されちゃうっぽい。
全体的に音声が遅れるだけなので、後からAviutlとかで補正してやれば解決するのでまぁこっちはちょい面倒くらいで済みそう。
※めんどくさくてちゃんと調査してないです

 

 

■otomad-groove構想について

今回の合作では単品音声を取り纏めてフリーコンピとして配布しています。

otogroove01.tumblr.com

 

今回の合作の裏テーマです。

スマホが普及する前からニコニコ動画を見ていた方々なら共感してもらえると思うんですが、昔って音MADの音声をiPodWalkman、あるいはPSP等に転送して聞いていませんでしたか?
それを今この時代にもやってしまおうという狙いがあります。

 

今回の合作コンセプトの一つに「作業用にも聴ける音MAD」という観点がありましたが、音源を配布することでこれをより推し進めてしまおうという魂胆ですね。(もっと言えば音MAD-mixやDJユースも視野に入れつつ)

 

また、音源を配布するにあたってのアルバム名は「otomad-groove vol.1」としています。そうです。ナンバリングが付いています。

継続出来るかどうか分からないのであまり大声では宣言しないようにしておきたいのですが、これを「otomad-groove構想」として今後も展開していきたく思っています。

一回フォーマット作っちゃえば次からはもっとラクですからね。
気力とやりたいネタが思いついたらまたこそこそ動き出すかもしれません。

 

■サムネイル

ヒップホップの伝記的映画「ストレイト・アウタ・コンプトン 」をオマージュしています。ローファイなので若干くすんだ雰囲気で。

 

 

▲似てる!(似せてます)

 

 

■自パートについて

記事も長くなってきたのでサラッと。
今回素材として用いたのは、アニメ「Sonny Boy」第8話。

 

詳細なストーリーは本編のネタバレになってしまうので控えますが、あらすじとしては「道中出会った言葉の喋れる犬(やまびこ)がまだ人間だった頃」の話です。本編の流れで差し込まれる、登場人物の過去回ですね。


いや津田健次郎さんの語りが良いんですよね。直近だとONE PIECE FILM REDでも演じられていて痺れるな~~って感じてました。

以前に本編を視聴してからずっとこの回で音MADを作りたいと思ってたので、今回この機会に作れてよかったです。(こんな感じのこと前のラップ調合作でも言ってたな……)

 

Sonny Boy本編も面白いので是非!ただ内容は大分人を選びます!
1話の時点でこのアニメの特異性が存分に発揮されているので、気になる方はまず1話だけ見てもらえればと。(1話が合えば合うし、合わなければ最後までそんな感じの雰囲気が続くので無理せず)

 

 

■おわりに

今回の合作は、切っ掛けこそ「音MAD合作に新たな提案を……」みたいな思惑で始めていましたが、コンセプトとして蓋を空けてみれば完全に「自分好みの音MADが沢山見たい!」みたいな感じになってそれが叶う結果となっちゃいました。ありがたすぎ!

 

この動画を見て「ラップ調音MADって良いな~」と感じてもらえたら何よりです。
そして、願わくばラップ調音MADが増えてくれれば主催として冥利に尽きる限りです。

 

また当たり前ですが、この企画は参加いただいた方々の協力と、投稿後の動画を見てくださった皆様のお陰で成り立っています。

 

改めて、本当にありがとうございました!!