owatax's blog

ニコニコのブロマガから引っ越しました。

音MAD音圧論(後編)

前回の記事ではタケシが遂にソーセージを手に入れることが出来ました。
未読の方はこちらからどうぞ。





前回の記事では「より大きな音で曲を聞いてもらうために音圧を上げる」と記しましたが、当然逆の現象も発生します。

音圧が高い曲の後に音圧が低い曲を聴くと、「なんか音量小さいな、ショボいな」となってしまいます。

そんなバカなと思われるかもしれませんが、これは実際に試してみると実感出来ると思います。

そのため、音圧を下げるという事が実質的に出来ず、より大きな音として聞こえるように常に求められるような状況が続いていました。



圧戦争の終焉
これまで音圧戦争の顛末について解説しましたが、近年では状況が変わってきています。

ラウドネスノーマライゼーション
端的に言うと、どの曲を聞いても/どの動画を開いても同じくらいの音圧で聴こえるように音量を揃える技術です。

……すなわち、この技術が使われてる環境においては「どれだけ音圧を上げようが無意味になった」と言うことです。

現時点ではYoutubeSpotifyなどが対応しています。また、テレビなどでは以前から手動で音圧を整えることでどの番組でも同じレベルの音量感で聞くことが出来るようになっています。
詳しくは以下の記事を参照ください。
- 続・音圧戦争について


★つまりどういうことだってばよ
Youtubeに上げる動画に関しては音圧上げても無駄!!!むしろ逆効果!!!!
※正確に表現すると全くの無意味では無いので、ある程度の音圧は必要です。音量が小さいのはそのまま、煩すぎるのが粛清されるようなイメージですね。
※具体的な数値で言うと、現時点では「-13LUFS」が最大値らしいのでこの辺りに収めるのがベターです。


ただし、ニコニコではまだこの技術は使われてないので今まで通りです。
しかし、もし導入されてしまったら……?

音圧が勝手に揃えられてしまうことには当然デメリットもあります。「音割れポッター」や「眼力先輩」、「伊尻氏の動画」のようなうるさい動画をそのまま味わうことが出来なくなってしまうのです。
(正確には音割れ自体はするもののボリュームを自分で上げないとダメな状態)

ニコニコがいつラウドネスノーマライゼーションを導入するかは誰にも分かりませんが、タケシのソーセージが再び失われてしまう日も近いのかもしれません。




上記で締めたかったんですが、結構記事が短くなっちゃったので追加のコラムを。

イナミックレンジが広い=正義?
ダイナミックレンジとは簡単に言うと「曲全体を通して音量の大きい箇所と小さい箇所の差がどれだけあるかを示す指標です。(再放送)

類語としてダイナミクスという言葉があり、これは部分的な音量の差のことを指します。こちらはどちらかと言うと奏者や奏者上がりの人が「もっとダイナミクスを付けて」といったように使う印象があります。ダイナミックレンジはややエンジニア寄りの表現ですね。

さて、一般的にはこの音量差はある程度あった方が良いと言われています。音量差があることでメリハリが付いたり、また演奏の強弱を表現出来たり等の恩恵が得られるためですね。
少なくとも音楽についてはその認識で間違いないのですが、こと音MADについてはやや事情が変わってきます。

上手く纏まらなかったので箇条書きに起こすと、
  • 音量差を広く表現することを意識し過ぎてセリフが聞き取りにくくなったら本末転倒
  • でも音程合わせとかは何も音量変化ないとちょっと退屈だよね
     ⇒ 音の強弱やポルタメントなど、何も調整してない状態を「ベタ打ち」とか言ったりします
  • そうは言っても唐突に音割れしまくりの爆音が流れるのは面白いよね
みたいな感じです。

おわり。